非正規社員に賞与や退職金は払わなくても良い?(同一労働同一賃金の原則) ご存じの方も多いと思いますが、今月
医療法人の理事解任
目次
1 医療法人の特殊性
医療法人は,その社員が家族や親族で構成されていることが多く,経営方針や後継者を巡って争いになった場合には,親族同士の紛争ということもあり,非常に激化することがあります。医療法人の意思決定に影響することのできる理事の地位をめぐって,反対派からその解任が行われることもあります。
2 医療法人の理事とは
医療法人の「理事」とは,医療法人の機関であり,社員総会によって選任される役員のことをいいます(医療法46条の2,46条の5)。医療法人において,理事は3人以上が必要とされており,選任はもちろん解任にも社員総会の決議が必要になります(医療法46条の5の2)。
3 医療法人の理事の解任
先ほど述べたとおり,医療法人の理事の解任は,社員総会の決議を経ることにより,いつでも可能です。ただし,解任に正当な理由がない場合には,その解任された理事から損害賠償を請求されることがあります。
社員総会の決議と聞くと,株主総会の決議を想像される方も多いと思いますが,医療法人の社員総会は,株主総会と違って社員一人に1議決権があることになります。理事の解任の社員総会決議は,総社員の過半数の出席かつ出席社員の過半数の賛成が必要となるため,支配権争いが勃発した場合には,味方の社員が一人でも多い方が心強いといえるのです。したがって,医療法人での支配権を確固たるものにするためには,一人でも多くの社員を味方につけ,議決権の過半数を常に確保しておくことが非常に重要です。
4 弁護士にご相談を
医療法人の支配権争いが表面化している,あるいは表面化しそうであるという場合には,早めに弁護士にご相談されることをおすすめします。段階に応じた的確なサポートもできますので,是非お気軽にお問合せください。
弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ
最新記事 by 弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ (全て見る)
- “働きがいも経済成長も“を目指す企業さまを対象に「SDGs労務コンサルティングプラン」をリリース! - 2022年10月28日
- ベンチャー法務 ~知的財産 - 商標編~ - 2021年12月28日
- 法律事務所瀬合パートナーズ通信 - 2021年3月4日

- 医療法人の支配権争い
- クリニック・医療法人の経営者が顧問弁護士を選ぶポイント
- 勤務医の年俸制及び定額残業代に関して(労務的な内容)
- スタッフの労務問題
- 歯科医院における法律問題
- オンライン診療
- 医療法人の理事解任
- 医師の応召義務と診療の拒否
- 医療機関における保険診療の個別指導対応と注意点
- Q.医療機関を経営していますが、法的に診療録(カルテ)の記載事項として、どのような事項を記載しないといけませんか?保存期間はいつまででしょうか?
- Q.患者と直接対面しないで投薬の処方箋を発行することができるか
- Q.医師法21条に基づく,医師による警察署への異状死体の届出について
- 治療費の未払いと回収方法
- 医療機関におけるクレーマー・モンスターペイシェントへの対応方法
- 医療事故に関する過度の賠償請求への対応方法
- 病院から出て行かない入院患者への対応方法
- 診療所・クリニックにおける休憩時間中の電話番
- 分院を円滑に開設する方法
- インフォームド・コンセントと医師の説明義務