従業員を雇うにあたり作成する秘密保持に関する誓約書の注意点

業種:製造業

相談・依頼内容

 このたび技術職の専門家を雇うことになりましたが、退職にあたり弊社の秘密情報の漏えいを心配しています。そこで、入社時に厳しめの秘密保持に関する誓約書をとりたいと考えているので、作成をお願いしたい。

アドバイス内容

 秘密保持条項を厳しく作成することで事実上の抑制力をもたせることは可能かと思います。ただ、入社時だけ誓約書をとっても法的な有効性が弱いので、入社時と退社時の双方で誓約書をとるようにされるとよいでしょう。

 また、特に従業員を対象にする場合ですと、違反した場合の損害賠償金の予約条項を入れることは労働基準法16条に違反するのでご注意ください。退職にあたり、同業種への競業避止義務条項を入れることも一定の範囲で可能ですが、金銭的代償措置を入れることが重要となります。

 いずれにせよ、秘密保持の誓約書については損害の立証が困難である等、限界があります。ですので、誓約書だけに頼るのではなく、秘密情報をいかに洩れないように日頃から厳重に管理していくかということが大切となります。

The following two tabs change content below.

弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ

顧問弁護士とは、企業の「強力な参謀役」です。お悩みのことがあれば、どのようなことでもまずはご相談いただき、もし当事務所が解決するのに適さない案件であれば、解決するのに適切な専門家をご紹介させていただきたいと考えております。経営者の方々のお悩みを少しでも軽くし、経営に集中していただくことで、会社を成功させていっていただきたいと思います。

トピックスの最新記事

契約書の最新記事

弁護士の活用事例の最新記事