顧問弁護士の活用方法
弁護士というと、トラブルが発生した際の紛争対応がメイン業務と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
ここでは、顧問弁護士の活用方法について、いくつかご紹介いたします。
目次
顧問弁護士を活用するのはどのような場面か
弁護士を活用する場面としては、大きく、①紛争解決が必要な場面、②予防法務として法律相談や各種契約書の立案・審査をする場面、③戦略法務として企業の意思決定に参画する場面が考えられます。
このうち②の「予防法務」が最も弁護士を活用すべき場面といえるでしょう。
日々の業務に関して生じる法律相談や、契約書等の作成・審査、また従業員との労務トラブルなどは、日常業務において常に起こり得る問題であり、この場面で顧問弁護士を活用いただくのが最も良いでしょう。
弁護士にどのようなことを相談できるか
弁護士に相談することができる内容としては、以下のようなものがあります。
・契約書の立案
・契約書の審査・チェック
・会社のガバナンス(取締役、取締役会、監査役)
・会社の機関設計
・株主総会の運営
・情報管理(個人情報、営業秘密、SNSの不正書き込みなど)
・独禁法、景品表示法
・労働問題(労働時間、残業代、懲戒、解雇など)
・ハラスメント(セクハラ・パワハラ)
・消費者対応(クレームなど)
・紛争解決(債権回収、訴訟など)
まずは何かあったときにすぐに相談する
もっとも、法律相談に限らず、まずは何かあれば顧問弁護士にご相談ください。
ビジネスを行ううえで、法務トラブルのリスクは常につきまといます。
トラブル対応において重要なことは、問題に対して、素早く的確な対応をすることです。
素早く的確な対応をすることで、更なるトラブルの発生を防ぐことができ、安心して業務に集中することが可能になります。
顧問弁護士がいると、トラブルが発生した際にすぐに相談することができます。
顧問弁護士がいない場合は、弁護士探しから始めなければなりませんが、その問題を扱う弁護士を探すのがまず大変です。知人に弁護士を紹介をしてもらっても、その弁護士が適任でない場合もあります。
弁護士を探すことができても、相談する際には、自社がどのような事業をしているかという所から説明をしなければなりませんが、これは非常に面倒です。
この点、顧問弁護士は、自社の事業内容やトラブルが生じる背景などを把握しています。このため、トラブルが生じたときに、余計な説明をすることなくスピーディに本題の相談・解決に移ることができます。
また、顧問弁護士は、顧問先の仕事を優先して対応しますので、何かあればすぐに対応してもらうことが可能です。
ちょっとしたことであれば、電話やメール、チャットなどですぐに回答を得ることもできます。
もし、弁護士が扱わない範囲のご相談であっても、可能な限り、他の専門家をご紹介したり、他の解決方法・相談窓口についてのアドバイスを得ることができます。
問題の大小や、難易度、弁護士の業務の範囲内かを気にすることなく相談できるのは、顧問弁護士だからこそです。
契約書を見てもらう・作ってもらう
日々のビジネスでは、様々な種類の契約することを避けて通ることができません。すべての契約書の内容をチェックして、内容を把握することは非常に面倒な作業です。
多忙な業務を行う中で、契約書まで細かくチェックすることは不可能に近いのではないでしょうか。
ですが、内容をよく理解しないまま安易に契約したがために、後に大きなトラブルとなったということは決して珍しいことではありません。
この点、顧問弁護士がいれば、面倒な契約書や利用規約等のチェックを気軽に頼むことができます。
また、自社のビジネスに合わせた契約書を新しく作成するときも、顧問弁護士に任せることができます。
顧問弁護士に「このような内容の契約書を作成したい」ということを伝えれば、顧問弁護士が、今後生じうるトラブルを踏まえ、取引先との力関係も考慮しながら、自社に合わせた的確な契約書を作成することが可能となります。
労務問題が生じたときに活用する
従業員との労務問題は、日々発生する可能性があります。
労働時間、有休、賃金、ハラスメント対策、懲戒、解雇、人事異動、労働者派遣などの問題が生じますが、そのときに顧問弁護士に相談してアドバイスを得ながら対応に当たることをおすすめします。
適切な対応を行うによりトラブルが最小限に抑えられるとともに、労務問題に対応する経営者・従業員の精神的な負担を減らすことにもつながります。
顧問弁護士がいる会社であると外部に知らせておく
中小企業においては、まだまだ顧問弁護士の普及率というものは高まりきっていないのが現実です。
逆に言えば、顧問弁護士がいるというだけで対外的信用が得られます。
また、不当な要求をしてくる顧客や不誠実な対応をする業者に対しても、顧問弁護士の存在があるということで牽制できる効果があります。
法的トラブルになった場合は、弁護士にアウトソーシングする
いざ紛争が発生した際、代表者自ら対応するとなると多大な労力と時間がかかります。これを弁護士に任せることで時間と労力を大幅に削減することができ、その分本業に集中することができます。
また、トラブルが現にあるということだけで、精神的な負担が大きくなります。
この点、顧問弁護士がいれば、その問題を一緒に抱えてくれ、一緒に解決方法を見つけることができますので、精神的な負担も大幅に減らすことが可能となります。
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