非正規社員に賞与や退職金は払わなくても良い?(同一労働同一賃金の原則) ご存じの方も多いと思いますが、今月
医療法人の支配権争い
1 医療法人とは
医療法人とは,「病院,医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所,介護老人保健施設又は介護医療院を開設しようとする社団又は財団」のことをいいます(医療法39条)。医療法人の最高意思決定機関として,社員総会が設置されるのですが,これは,株式会社でいうところの株主総会みたいなものです。しかしながら,医療法人の社員と株式会社の株主とは決定的な違いがあります。それは,地位を獲得するために出資が必要とされていないことです。
2 支配権争い
医療法人では,社員という地位を獲得すれば,出資がなくとも1人1個の発言権を与えられることになります。すなわち,支配権を獲得したい場合には,事前に新経営者側の社員を多く確保しておく必要があるわけです。しかし,社員の地位を獲得するには,社員総会での決議が必要となるのが一般的ですので,新たに味方の社員を増やすことは簡単ではありません。
また,これまで医療法人への貢献度が非常に高かった人物であっても,社員総会で過半数の票を確保しなければ,医療法人から追い出されるということもありえます。
3 弁護士に相談を
医療法人の支配権に関する紛争が予想される場合には,日々の経営においてどのような点に注意すべきか,未然に防ぐにはどのような対策をとればよいのかについて,事前に弁護士にご相談していただき,その医療法人の抱える問題にふさわしい対応策を考えることが必要です。
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弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ
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