Q.インフルエンザにかかった疑いのある従業員の就業禁止の対処方法はありますか?

質問

 従業員がインフルエンザにかかった疑いがあるにもかかわらず、出勤しようとしてきています。会社としては、他の従業員へ感染が拡大する恐れがあるので、就業を禁止したいのですが、どのように対処すればよいでしょうか。

回答

 労働者は、労働契約に基づき心身ともに健康な状態で労務を提供する義務を負っています。そして、これは心身ともに健康な状態でなされる必要があります。よって、労働者に心身に故障があり債務の本旨に従った労務提供といえない場合、使用者としてはその受領を拒否することができます。

 また、上記のとおり、労働者は健康な状態で労務を提供する義務を負っており、これが労働者側の原因で履行できない以上、ノーワークノーペイの原則が適用され、無給となります。
 特に、新型インフルエンザのような感染力の強い感染症の場合、会社として、感染拡大防止の措置を講じることが肝要であり、いかなる措置を講じるかをあらかじめ就業規則で定めておくとよいでしょう。

 なお、新型インフルエンザの場合、「新型」か否かの確定がなされないまま治療がなされることが多いので、「疑い」まで含めておくことがポイントです。また、感染拡大防止のため、報告義務規定を置くことも考えられます。

 以下に、インフルエンザを含む「病者等に対する就業禁止規定」の例をあげておきますので、ご参考にしてください。

<参考例>

第●条(病者等に対する就業禁止等)

 1 会社は、次の各号のいずれかに該当する従業員については、就業を禁止する。
① 病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかった者(新型インフルエンザ及びその疑いを含む。) 
② 心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのある疾病にかかった者 
③ 前各号に準ずる疾病で厚生労働大臣が定める疾病にかかった者 
④ 前各号の他、感染症法等の法令に定める疾病にかかった者 

 2 前項の規定にかかわらず、会社は、従業員の心身の状況が業務に適しないと判断した
場合、その就業を禁止することがある。

 3 前2項の就業の禁止の間は無給とする。

 第●条(報告義務)

 1 従業員は、伝染性の疾病(新型インフルエンザ及びその疑いを含む。)に感染した場合、又はその疑いがある場合、直ちに所属長に報告しなければならない。

 2 従業員の同居の家族又は同居人が伝染性の疾病に感染した場合、若しくはその疑いがある場合、又は住居付近において伝染性の疾病が発生した場合、直ちに所属長に報告しなければならない。」


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発行日:2016.03.22

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