Q.わが社より小規模な会社と新たに委託契約を結ぶ予定です。代金については,月末締めの翌々月20日払いにするつもりなのですが,問題ないでしょうか?

質問

わが社より小規模な会社と新たに委託契約を結ぶ予定です。代金については,月末締めの翌々月20日払いにするつもりなのですが,問題ないでしょうか? 

回答

下請法違反になり,支払期日を見直す必要があるかもしれません。

自社より小規模な会社と委託契約を締結する場合,下請法が適用される可能性があります。下請法が適用されるのは,両社間の規模の差と契約内容が以下のような場合です。

契約内容

規模が大きい方(親事業者)

規模が小さい方(下請事業者)

製造委託

修理委託

情報成果物作成委託

役務提供委託

資本金が3億円~

資本金が3億円以下

資本金が1000万円~3億円

資本金が1000万円以下

情報成果物作成委託

役務提供委託

資本金が5000万円~

資本金が5000万円以下

資本金が1000万円~5000万円

資本金が5000万円以下

このように,資本金の額がわずかしか違わない場合でも,下請法の適用対象となる場合があるので,注意が必要です。

 

その下請法2条の2第1項によれば,親事業者は下請事業者に対し,給付受領日(役務提供日)から起算して「60日の期間内」に,下請代金の支払期日を定めなければなりません。

月末締めの翌々月20日払いですと,たとえば,7月1日に下請事業者から役務提供を受けた場合,その下請代金の支払い日は9月20日ということになります。これでは,役務提供日から支払日まで60日以上の期間があり,下請法に違反することとなってしまいます。

したがって,月末締めの場合,支払期日は「翌月20日」など翌月中に設定する必要があります。

なお,翌月末日払いの場合,31日間の月があると支払期日までの期間が最大62日間となり,下請法に違反するように思えます。

しかし,下請法2条の2第1項の「60日の期間内」というのは,確立された運用上,「2

か月以内」と読み替えられているので,31日間ある月を意識する必要はありません。

 自社より小規模な事業者と委託契約を締結する場合,上記のような下請法の適用対象となる場合がございますので,契約締結前に両社の資本金の額を確認することをおすすめします。

 

 

 

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