非正規社員に賞与や退職金は払わなくても良い?(同一労働同一賃金の原則) ご存じの方も多いと思いますが、今月
Q.新型コロナウイルスの影響により取引先から急に契約を解除されてしまった場合、どうすればよいですか?
質問
新型コロナウイルスの影響により取引先から急に契約を解除されてしまった場合、どうすればよいですか?
回答
契約の解除をするには,解除事由が必要です。解除事由は,取引先との契約の際に作成した契約書に記載されているもののほか,債務不履行といって契約内容に違反した事実(料金未払い,納期遅れ,品質粗悪等)があることが挙げられます。また,取引先との間で合意の上契約を解除するということもあり得ます。
今回は急に契約を解除されてしまったということですから,合意解除は考えにくいと思われますので,解除事由がある場合に当たるということを前提に考えます。
まずは,取引先との契約内容を確認することが重要です。継続的な取引契約であれば,期間満了による解除でなければ中途解約に当たり,解除事由がなければ解約できないこともあるからです。御社に契約違反の事実等がなく,かつ中途解約に当たる場合には,契約期間が満了するまでは契約を継続できることもあります。ただし,コロナウイルスの影響で,ということになると,取引先にも帰責事由がないことにもなりかねず,損害賠償を請求することは難しいかもしれません。
スポット的にしか契約を締結していない場合には,取引を継続するよう強制すること(強制的に発注させるなど)はできませんが,下請法の適用がある場合には,以下のような観点から交渉をしてみることをお勧めします。
2020年2月14日、経済産業省から、(1)「親事業者においては、今回の新型コロナウイルス感染症の発生に伴って、下請事業者に対し、①通常支払われる対価より低い対価による下請代金の設定、②適正なコスト負担を伴わない短納期発注や部品の調達業務の委託など、負担を押しつけることがないよう、十分に留意すること」、(2)「親事業者においては、今回の新型コロナウイルス感染症により影響を受けた下請事業者が、事業活動を維持し、又は今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行うよう配慮すること」が要請されました(「新型コロナウイルス感染症により影響を受ける下請等中小企業との取引に関する配慮について」参照)。
下請業者としては,一定期間の発注の猶予や料金の支払いの猶予等の条件を受け入れる必要がある可能性もありますが,契約更新あるいは次回の発注の約束を取り付ける等,交渉の材料になるかもしれません。
取引先との契約解除でお悩みの際には,是非一度,企業法務に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ
最新記事 by 弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ (全て見る)
- “働きがいも経済成長も“を目指す企業さまを対象に「SDGs労務コンサルティングプラン」をリリース! - 2022年10月28日
- ベンチャー法務 ~知的財産 - 商標編~ - 2021年12月28日
- 法律事務所瀬合パートナーズ通信 - 2021年3月4日

- Q.招集通知発送後に株主総会の開催日時・場所を変更することはできるか?
- Q.新型コロナウイルス感染症へのり患が疑われる株主が株主総会の議場へ入場することを拒否することはできますか?
- Q. 海外の業者と契約を締結するにあたって、販売代理店契約とライセンス契約のいずれが有利でしょうか?そのメリットとデメリットを教えてください。
- Q.グループ企業間で経営指導契約を締結する際の注意点
- Q.新型コロナウイルスの影響により事業の継続が難しくなり、顧客へのサービス提供が難しくなった場合、一方的に契約を解除できるのか?
- Q.新型コロナウイルスの影響により資金繰りが悪化し、取引先に対する支払いが難しくなった場合、契約を解除することは可能か?
- Q.HP制作会社に原稿を渡して自社のHPに掲載してもらっているのですが,このHPの著作権は誰にあるのでしょうか?
- Q.新型コロナウイルスの影響により取引先から急に契約を解除されてしまった場合、どうすればよいですか?
- Q.新型コロナウイルスの影響により取引先からの売掛金が回収できないのですがどうすればよいでしょうか?
- Q.わが社より小規模な会社と新たに委託契約を結ぶ予定です。代金については,月末締めの翌々月20日払いにするつもりなのですが,問題ないでしょうか?
- Q.下請契約では,支払いサイトを60日以内にしなければならないと聞きました。月末締めの翌月末日払いの場合,31日の月があると支払いサイトが60日以上の期間が開いてしまうので,下請法違反となってしまうのでしょうか?
- Q.企業向けの販売セミナーをしたいと考えています。セミナー参加者全員に,参加特典として自社商品をお渡ししようと思うのですが,問題ないでしょうか。
- Q.ECサイトで古着を販売する際の注意点
- Q.台風・豪雨時の損害賠償責任
- Q.リストラで不当解雇と言われないためにはどのようなことに気をつければよいでしょうか?
- 建設業をしていますが,下請との間ではいつも契約書を作成していません。何か問題がありますか?
- 国際裁判管轄
- Q.賃貸人が賃料を滞納した場合にそなえて、賃貸借契約書に「無催告解除特約条項」を定めておき、この条項を根拠に一か月でも賃料を滞納すれば、賃貸借契約を解除しようと思うのですが、有効でしょうか?
- 利用運送事業者(水屋)との契約トラブル
- Q.化粧品の広告規制について
- Q.日本企業が行った外国での賄賂行為が米国で罰せられることはあるのでしょうか?
- Q.海外企業より契約書に贈賄禁止条項を盛り込むよう求められましたが,こちらにどのようなリスクがあるのでしょうか?
- Q.自社で商品券を発行しようと企画していますが、その際に注意することはありますか?
- Q.友好的資本提携とはどのような提携を意味しているのでしょうか?
- Q.今派遣で来てもらっている人がもう少しで3年になり,契約期間満了となります。契約期間満了後,グループ企業に同じ人を派遣してもらい,当社において以前と同じ業務につかせることは,派遣業法問題ありますか?
- Q.派遣会社から、派遣対象者が3年の期間満了前に3か月ブランクをあけると、再度派遣にきてもらうことができると聞いたのですが、本当ですか?また3年の期間満了後、まったく別の派遣会社から同じ人を同じ会社に派遣してもらうことは問題ないとも聞いたのですが、本当ですか?
- Q.元請会社が下請会社に対しペナルティを科す条項の適法性
- Q.メーカーが小売業者の販売方法を制限するのに問題はありますか?
- Q.賃貸人が家賃を滞納した状態で連絡がとれなくなった場合等にそなえて、賃貸借契約書に次のような「自力救済容認条項」を定めておこうと思うのですが、有効でしょうか?
- Q.賃貸人と連絡がとれなくなった場合等にそなえて、賃貸借契約書に次のような「残置物の破棄・処分条項」を定めておこうと思うのですが、有効でしょうか?
- Q.賃貸人と連絡がとれなくなった場合等にそなえて、賃貸借契約書に次のような「連帯保証人への委任条項」を定めておき、解除と明け渡しを容易にしようと思うのですが、有効でしょうか?
- Q.外国人労働者を人材派遣するにあたり注意することはありますか?
- Q.インフルエンザにかかった疑いのある従業員の就業禁止の対処方法はありますか?
- Q.従業員が自ら管理した勤怠管理アプリやLINEメッセージは、未払い残業代の証拠としてどこまで有効なのでしょうか?
- Q.従業員に横領されたお金を回収する方法はありますか?
- Q.退職した従業員から、会社の顧客を引き抜く行為を防止する方法は?
- Q.退職者が会社の顧客情報を利用した場合の対処方法は?
- Q.内定を辞退したいと考えています。法的には問題があるでしょうか?
- Q.会社からの一方的な内定取消も有効なのでしょうか?