Q.新型コロナウイルスの影響により資金繰りが悪化し、取引先に対する支払いが難しくなった場合、契約を解除することは可能か?

質問

新型コロナウイルスの影響により資金繰りが悪化し、取引先に対する支払いが難しくなった場合、契約を解除することは可能ですか?

回答

1 解除できるか

「地震や疫病などの不可抗力によって資金繰りが悪化した場合に契約を解除することができる」という条文は民法にはありません。そのため,上記の場合に解除ができるかどうかは,個別の契約条項によります。

契約書には,「不可抗力条項」というものが定められている場合があります。たとえば,以下のような条項です。

「地震,台風,重大な疫病等が生じ,本契約の目的を達成することが困難であると認めるに足りる合理的な理由がある場合には,双方協議の上,本契約の全部又は一部を解除できる。」

契約書にこのような条項が定められている場合は,解除できる余地があります。しかし,この条項で可能になるのは「双方協議の上」での解除ですので,一方的な解除まではできません。このように,条項を細かく検討する必要があります。

 

2 資金繰りの対策

政府では,様々な資金繰り支援策を実施しています。たとえば,日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)や新型コロナウイルス感染症特別貸付,商工中金の危機対応融資などの特別融資制度があります。

 

日本政策公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m_t.html

日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html

商工中金の新型コロナウイルス感染症特別貸付

→https://www.shokochukin.co.jp/disaster/corona.html

 

このほかにも様々な支援策が実施されていますので,契約相手と解除の協議をするのと合わせて,特別融資制度についてもご検討ください。

 

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弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ

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発行日:2021.03.04

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