Q.従業員が自ら管理した勤怠管理アプリやLINEメッセージは、未払い残業代の証拠としてどこまで有効なのでしょうか?

質問

 最近、会社の労働時間管理とは別に、従業員が自らアプリ等を用いて、労働時間をチェックし、未払い残業代を請求する事案が増えていると聞きます。このように従業員が自ら管理した勤怠管理アプリやLINEメッセージは、未払い残業代の証拠としてどこまで有効なのでしょうか?

回答

 勤怠管理アプリやLINEメッセージをもって、直ちに労働時間が認定されるわけではなりませんが、他の証拠で裏付けられることにより労働時間が認定される可能性があります。

 会社が管理している客観的な勤怠記録があれば、まずはそれが労働時間認定の基本となり得ます。但し、会社が勤怠記録を適切に管理していないような場合、勤怠管理アプリやLINEメッセージの方が証拠価値が高く、これらの記録をもって労働時間が認定されるおそれもあります。
 また、これらの記録が、従業員の使用していたパソコンのログインログオフ時間やメール送信履歴等、他の客観的な証拠により裏付けられると、労働時間認定の証拠とされる可能性があります。

 そこで、会社としては、まずは会社の勤怠記録を適切に管理することが肝要です。そうすることが、勤怠管理アプリやLINEメッセージに基づく未払い残業代請求への何よりの対抗手段でしょう。なお、従業員本人に会社が適切に勤怠管理する労働時間について、確認印を押してもらうことも、有効な証拠となり得るでしょう。

 勤怠管理アプリを用いた労働時間認定を否定した裁判例として、バッファロー事件(東京地裁平成27年12月11日判決)が、LINEメッセージを用いた労働時間認定を否定した裁判例として、OBネットワーク事件(東京地裁平成28年3月29日判決)がそれぞれ参考になります。


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発行日:2016.03.22

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