非上場・中小企業向け株主総会対応

 非上場企業や中小企業であっても、会社法上、一定の事項について決定・変更等を行う場合には、株主総会の開催が必要となります。
 かつては、非上場企業や中小企業では、現実には株主総会を開催していないにもかかわらず、株主総会が開催された内容で株主総会議事録が作成され、議事録上の決定内容に基づいて会社の業務が進められていたことも少なくありませんでした。親族経営の会社や少人数での経営であるがゆえに、現実に問題が発生する場合が多くはないと認識されていたためです。
 しかし、近年では、会社のコンプライアンス遵守の重要性が指摘されるようになっており、現実にも、非上場企業や中小企業であっても、代表者の交代等がきっかけとなり、株主総会決議の不開催が問題視されることも少なくありません。株主等から、株主総会決議の無効確認、不存在確認の訴えが提起された場合には、重要な業務上の決定が無効となり、会社の経営に大きな支障を及ぼすおそれもあります。
 そこで、非上場企業や中小企業であっても、法令を遵守し、株主総会を円滑に開催、進行する必要があります。以下では、株主総会の全般的な注意事項について解説します。

 

1 株主総会の招集・開催

(1)招集

 会社が株主総会を開催する際には、株主総会招集通知を発しなければなりません。
 このとき、会社が株主総会招集通知を発送する株主は、株主総会名簿の記載に基づく必要があります。例えば、親族経営会社等の場合で、会社が、とある株主が死亡して相続が発生していることを知っていたとしても、相続手続等が未了で株主名簿の書換えが行われていない場合には、株主総会招集通知を発送する相手は、あくまで、株主名簿上の株主になることに注意が必要です。
 また、株主総会招集通知を発送する期限は、非公開会社の場合、原則として、株主総会を開催する日の1週間前までになります。ただし、書面や電磁的方法によって議決権行使ができることを定めた場合には、株主総会を開催する日の2週間前までに株主総会招集通知を発送しなければなりません

(2)開催場所

 株主総会の開催場所は、定款に特段の定めがない限り、自由に場所を指定することができます。ただし、過去に株主総会を開催した場所と著しく離れた場所で開催する場合には、株主総会招集の際にその理由を決定しなければなりません。

(3)開催日時

 株主総会のうち、定時株主総会は、各事業年度の計算書類の承認等を議題とする株主総会であり、毎事業年度の終了後一定の時期に召集しなければならないと定められています。定時株主総会を前年度と著しく離れた日に開催する場合には、株主総会招集の際にその理由を決定しなければなりません。
 また、臨時株主総会は、株主総会にて決議すべき事項が生じた場合に、適宜開催する株主総会であるため、開催時期に制限はありません

 

2 株主総会の議事・進行

 取締役は、株主総会において、計算書類及び事業報告を提出した上、事業内容の報告をする義務があります。また、株主は、株主総会において役員に対して質問を行う質問権を有している一方で、取締役には、株主に対する説明義務があります。ここで、取締役が負っている説明義務は、平均的な株主が、株主総会の議案を承認するか否かについて、合理的に判断するために必要な程度の説明を行うことをいいます
 つまり、取締役は、株主からの質問であっても、議案と無関係な質問にまで回答する必要はありません。また、株主総会の議事進行として、株主からの質問が長時間にわたる場合に、議案について合理的な判断をするために必要な説明がなされたと考えられる時点で、質問を打ち切ることも可能です。

 

3 弁護士による株主総会対応の支援

 上述のとおり、株主総会の対応には、種々に注意すべき点があります。その他にも、個々の株主対応や個々の議題についても、それぞれ注意すべき点があります。そのため、非上場企業や中小企業が、自社判断のみで株主総会に対応しようとする場合、様々な問題に直面する可能性があります。
 株主総会の対応に精通した弁護士に依頼した場合、会社が作成する株主総会の招集通知、株主総会のシナリオ、質疑応答の際の想定問答集について、リーガルチェックやアドバイスを行うことができます。また、株主からの事前質問に対する回答案についてのアドバイス、株主総会のリハーサルへの立ち合い、株主総会当日の立ち合いについても対応することができます。

 

4 まとめ

 このように、非上場企業や中小企業においても、年々コンプライアンス遵守の意識が高まり、株主総会対応の重要性が高まっているところ、株主総会対応には様々な法的な問題が含まれており、自社のみで判断して対応していくことが難しい場合も少なくありません。そこで、株主総会開催前に株主総会への対応方法、内容等を検討する際に、専門家に相談することをお勧めいたします。また、株主総会において意見の対立や進行上の問題が生じることが予想される場合には、株主総会当日の立ち合いについても、専門家に依頼することをお勧めいたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。

 

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弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ

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