利用運送事業者(水屋)との契約トラブル
質問
運送事業を経営している者ですが、仕事先の紹介で、数ヶ月前から利用運送事業者A社との取引を始めました。
ところが、A社が紹介してきた荷主企業B社の仕事内容は、A社から聞いていた内容よりも厳しく、そこに行かせていた運転手たちも嫌がってやりたくないと言い出しました。
そこで、これ以上、B社との取引を続けることはできないとA社に伝えたところ、A社から、「B社とは長期間契約を結んでいるから、一方的に取引を辞められるのであれば、損害賠償を請求させてもらう」と言われました。
なお、わが社とA社との間では、契約書は作成しておりません。このような場合、わが社は、損害賠償の責任を負う必要があるのでしょうか?
回答
委託契約は、受注側にも契約を解除する自由がありますので、本件のような場合、原則として、責任を負う必要はないと考えられます。
もっとも、契約書を締結しており、契約期間が残っているにもかかわらず、一方的に契約を解除したことでA社に損害が発生したといった場合や今後も取引が継続的に行われるといった合理的な期待があり、それが裏切られた場合には、損害賠償の責任を負うおそれがあります。
利用運送事業者(水屋)は、荷物と車とマッチングしてくれ、運行効率を高める等のメリットもある一方で、重層構造になりがちな運送業界が、さらに重層構造になり、本件のように契約関係や取引の実態がわかりずらくなるといったおそれもあります。
利用運送事業者(水屋)と取引をする際には、トラブルを避けるためにも、あらかじめ取引条件を書面化しておくことをお勧めします。
物流・ロジスティクス法務についてお悩みの経営者の方は、この分野に詳しい弁護士にご相談ください。
弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ
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