サブリース契約について

1 サブリース契約とは

DSC_02900017建物所有者(オーナー)が、不動産会社(サブリース会社)に建物を一括して賃貸し、サブリース会社が入居者に転貸して収益を得る事業をサブリース事業といいます。
一般に、オーナーとサブリース会社間の賃貸借契約のことをマスターリース契約、サブリース会社と入居者間の賃貸借契約のことをサブリース契約と呼んでいます。また、これらのスキーム全体としてサブリース契約ということもあります。

 

2 サブリース契約の契約類型

サブリース契約も建物の賃貸借契約であるので、借地借家法が適用されるというのが判例です。それでは、借地借家法が適用されるとどのような影響があるか具体的な場面ごとに見ていきます。

(1)賃料の増減額

サブリース契約は、オーナーが継続的に安定した賃料収入をサブリース会社である不動産会社から得られることを期待して、締結されている契約類型といえます。そこで、オーナーとしては、通常、賃貸借契約期間中の賃料の減額を認めないことを希望すると思われます。

しかしながら、仮に賃料を減額しない旨の条項が設けられたとしても、賃料増減額請求を定める借地借家法32条は適用されるというのが判例ですので、サブリース会社としては、賃料の減額が認められる可能性があります。

(2)更新の拒絶の可否

マスターリース契約における賃貸人であるオーナーが、他の不動産会社とマスターリース契約を締結しようとする等の理由で、賃借人であるサブリース会社とのマスターリース契約の更新拒絶をする可能性があります。この場合、前述のとおり、マスターリース契約には借地借家法が適用されるので、更新拒絶には正当事由(借地借家法28条)が必要である旨判示した裁判例があります。

したがって、サブリース会社としては、安易にオーナーからマスターリース契約の更新を拒絶される心配がないと言えます。

(3)転貸借契約の承継

賃貸借契約(マスターリース契約)と賃貸借契約(サブリース契約)との関係について、一般的に、賃借権が消滅すれば転借権はその存在の基礎を失うとされている一方、賃貸人の承諾ある転貸借の場合に、転借人に不信な行為があるなとして賃貸人と賃借人との間で賃貸借契約を合意解除することが信義誠実の原則に反しないような特段の事由がある場合のほかは、賃貸人と賃借人とが賃貸借解除の合意をしても転借人の権利は消滅しないとされています。

マスターリース契約においては、まさに、転借人(サブリース会社と契約する実際に不動産に居住する人)による使用収益が本来的に予定され、オーナーも転貸によって不動産の有効活用を図り、賃料収入を得る目的でマスターリース契約を締結し、サブリースを承諾していること、他方、転借人はオーナーの承諾があることを前提に転貸借を締結し、転借人がこれを占有していることなどの事実関係の下では、賃借人の更新拒絶による賃貸借の終了を理由に転借人の使用収益権を奪うことは、信義則に反し、賃貸借の終了を転借人に対抗できず、転借人は使用収益を継続することができる旨判示するものがあります。

すなわち、一定の場合には、マスターリース契約の終了をサブリース契約に対抗できないことになります。そこで、マスターリース契約が終了した場合、オーナーが当然にサブリース契約を承継することとする場合はもちろん、承継せざるを得ない場合もありますので、転借人がオーナーに対してサブリース契約の存続を対抗できるときの措置についても、契約書に定めておかなければなりません。

 


初回相談30分無料 法律相談のご予約はお電話で(予約受付時間 9:00~21:00) 078-382-3531 法律事務所 瀬合パートナーズ

顧問弁護士の活用事例