建物の「朽廃」による借地権消滅を理由とする立退きの可否

1 建物の「朽廃」による借地権の消滅

 借地借家法が平成4年8月1日に施行されましたが、それ以前に契約が成立していた借地権は、借地法が適用されます。
 借地法では、借地借家法とは異なり、建物の「朽廃」で借地権は消滅しますが、建物の「滅失」の場合には借地権は消滅せず、原則再築が可能です。

2 「朽廃」が認められるケース

 では、「朽廃」はどのような場合に認められるのでしょうか。
 「朽廃」とは、自然の推移による腐朽、頽廃した状態をいい、地震や火事などの災害、改築のための取り壊しは、「朽廃」に含まれません。   

 朽廃規定は、借地契約期間中であるにも関わらず、借地権を消滅させてしまうものであり、借地権者にとっては非常に酷な規定といえます。
 裁判例も、建物が木材としての価値しかなくなっているような場合以外は、「朽廃」を認めていません。この点、「風呂屋へ燃料として安く売りさばいた程度のものであったことを理由に「朽廃」を認めた判例(高松高判昭和31年3月10日)が参考になります。

3 対応方法

 したがって、家主が借地権者に対して、「朽廃」を根拠に借地権消滅を主張して立退きを求めていくのは非常に難しいといえるでしょう。

 ただし、建物の状態によっては、立退きを要求する際の一つの交渉材料にはなり得ます。具体的には、「このまま時間が経てば、『朽廃』に該当し、借地権が消滅するのですから、今の時点で少しでも立退料を受け取って、立ち退かれてはいかがですか。」等と言って、立退きを求めていくことが考えられます。

 借地権の「朽廃」問題に関してお困りの方は、この分野に詳しい弁護士にご相談ください。


初回相談30分無料 法律相談のご予約はお電話で(予約受付時間 9:00~21:00) 078-382-3531 法律事務所 瀬合パートナーズ

顧問弁護士の活用事例

神戸の弁護士による企業法律相談のメールマガジン

法律事務所瀬合パートナーズがお届けするメールマガジンです。業界で話題のニュースや経営に役立つ情報をお届けします。
無料で読めるメルマガの登録はこちらから。

無料購読

最新のメルマガ
発行日:2016.03.22

法律事務所瀬合パートナーズ通信vol.12

御社の事業内容と決算月に「ズレ」はありませんか? 国内の法人の場合、約2割が「決算月=3月」と定めています

バックナンバーはこちら