Q.借家人が夜逃げをした場合の対処法
質問
不動産経営をしている者ですが、最近、借家人(以下、「借主」といいます)の一人が、家賃も滞納し始めました。部屋に行っても誰もおらず、郵便ポストも郵便物でいっぱいです。どうも夜逃げをしたようなのですが、どのように対応すればよいのでしょうか?
回答
借主と連絡がとれる場合、何よりも、まずは鍵の返還(=明渡し)を受けることを最優先してください。鍵の返還を受けることは法的には明渡しを意味します。借主へ連絡する際は優しい口調で対応しましょう。家賃の未払いについては責めないで、場合によっては立退料の支払いを検討してもよいでしょう。
鍵の返還と同時に確認書にサインをもらいます。確認書の内容ですが、①鍵を任意に返還し、貸家を明渡したこと、②貸家内に残置した家財の所有権放棄と破棄処分への同意を入れることが大切です。
なお、自力救済(=裁判の手続きを使わずに、貸主側が明渡しを実力行使すること)は絶対してはいけません。たとえば、ドアの取り外し、鍵閉(かぎしめ)行為等がこれにあたります。自力救済は、民事上も、不法行為に基づく賠償責任の可能性があるだけでなく、刑事上も、住居侵入罪(刑法130条)・器物損壊罪(刑法261条)が成立するおそれがあるからです。
借主と連絡がとれない場合、建物明渡の裁判を起こす必要があります。
不動産経営についてお悩みの経営者の方は、この分野に詳しい弁護士にご相談ください。
弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ
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