介護業界における顧問弁護士のメリット
目次
1 顧問弁護士とは
皆さんは,顧問弁護士,と聞いて何を思い浮かべますか?何をしてくれるかよく分からない,お金を払うだけ払って何もしてくれないのでは?というようなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。
顧問弁護士とは,会社で起こる法律問題や心配ごとについて,普段から継続的に相談を受けたり,何か問題が起こった時に素早く行動したりして,会社をサポートする弁護士のことを言います。普段から継続的に相談を受けていることによって,対応が後手に回ることなく,予防はもちろん損害を最小限に食い止めることも可能になります。すでに問題が起こっている場合はもちろんですが,何も起こっていない場合であっても,トラブルの芽は存在しています。顧問弁護士がいれば,その芽を探し出すこともできるので,是非活用することを考えてみてください。
2 介護業界における顧問弁護士のメリット
うちはそれほどトラブルが多くない…,弁護士にお願いするほどのことではないし…,とお考えではないでしょうか。ここでは,介護業界において顧問弁護士をつけるメリットを解説していきます。
(1)クレーム対応
介護施設や訪問介護などでは,お客様からのクレームは避けて通れません。利用者はもちろん,そのご家族から介護サービスに対する日常的なクレーム対応は,ときに従業員にとって非常に負担となります。クレーム対応の窓口を顧問弁護士に任せることで,従業員の負担が軽くなり,トラブルの拡大を未然に防ぐことも可能になります。
また,クレームを防ぐための業務マニュアル,クレームがあった場合の対応マニュアルなどを顧問弁護士と連携しながら作成することも可能です。普段から相談を受けているからこそ分かる問題点もありますので,事前に対応を相談しておくことが得策だといえるでしょう。
(2)介護施設内や訪問介護中の事故対応
利用者の転倒や誤嚥など,介護中ならではの事故により,損害賠償を請求されるという事案が増えています。介護施設や訪問介護の利用者が増加している一方,働き手の人員減少も問題となっており,介護事故発生のリスクは一層高まっているといえます。
介護事故による損害賠償請求の根拠は不法行為責任(民法709条)なので,万が一介護事故が発生した場合には,介護をしていた側に故意や過失があったかどうかが争点になります。普段から故意や過失がなかったといえるような仕組みづくりも重要になりますので,普段から顧問弁護士と連携しておくと良いでしょう。
(3)労務問題への対応
介護の場面では,従業員の様々な労務問題が生じます。例えば,未払残業代,職員の無断欠勤,業務中の出来事を原因とする長期療養などが典型的です。顧問弁護士であれば,このような従業員に対する問題へ対応することができます。さらに,従業員個人の相談にものることができますので(会社と利益相反しない事項に限られます。),福利厚生の一環としてもご利用いただけます。
これらは,ほんの一例です。顧問弁護士であれば,上述した問題以外にも,その会社のニーズに沿った対応が可能になります。スポット的に弁護士に何か対応を依頼することになると,その都度弁護士費用がかかることに加え,面談予約をとり,実際に面談し,その後事件に着手するという流れになることが多く,かなりの時間をロスしてしまいます。
問題が起こった時というのは,素早く対応することが最も有効な解決方法となることも多く,顧問弁護士と契約しておく最大のメリットの一つはこれに当たります。
3 顧問弁護士をお考えの方は一度ご相談ください
どのような場合に弁護士が対応してくれるのか,いくらくらいの費用でどの程度弁護士が活用できるのか分からない…とお悩みの方は,一度弁護士にご相談されてみてはいかがでしょうか。会社によって心配ごとは違いますし,弁護士に依頼したい内容も変わってくると思いますので,ご相談に来ていただければ,その会社に合ったプランをご提示することも可能です。
弊所では様々な業種の顧問会社があり,経験も豊富です。ご相談に来ていただければ,その会社の抱えている問題点や,それに合った顧問契約プランをご提案させていただきます。是非お気軽にお問合せください。
弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ
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