債権の消滅時効に注意
目次
債権は5年で消滅時効にかかる
債権回収が難しいなどの理由で、回収しないまま放置していると、債権が時効にかかって消滅してしまうリスクがあります。
債権については、「債権者が権利を行使できることを知ったときから5年間権利を行使しなかったとき」に時効により消滅します(民法166条1項)。
支払期限が定められている債権は、その支払期限が到来したときから5年間権利行使をしないと時効に消滅します。
例えば、令和6年9月19日が支払期限である場合は、5年後である令和11年9月19日を経過するとその債権が時効消滅することになります。
支払期限が定められていない債権については、債権が成立したときから権利行使することができることとされているため、債権が成立したときから5年間権利行使をしないと時効消滅することになります。
例えば、債務不履行によって生じる損害賠償請求権の消滅時効については、本来の債務の履行を請求できるときから5年となります。
以前は、債権の消滅時効は10年でしたが、2017年の民法改正により期間が大幅に短縮されました。このため、このため、まずはこの「5年」という期間を念頭において、債権管理をしていただくのが良いでしょう。
消滅時効にかからないようにするためには
5年の消滅時効期間が近づいてきた場合、債権を時効消滅させないようにするためには、時効にかかからないような措置を取る必要があります。
具体的には、次のような方法を取ります。
これらの手続を行っている間は時効が完成しないことになります(民法147条1項、148条2項)。
・裁判を起こして請求をする
・支払督促をする
・民事調停や家事調停を行う
・即決和解を行う
・破産手続に参加する
・強制執行手続を行う
・担保権を実行する
裁判を起こして判決をもらい、その判決が確定すると、判決で確定した権利についての消滅時効の期間は10年に延長されます(民法169条)。
とりあえず催告書を送って時効完成を止める
消滅時効が間近に迫っているが、すぐに裁判などを起こすことには抵抗があるかもしれません。
また、裁判を起こす準備も間に合わないかもしれません。
そのような場合は、まずは債務者に対して催告書を送る方法で、時効の完成をとりあえず止めることができます(民法150条)。
ただ、この催告の効果は、催告したときから6か月間経過するまで時効は完成しないというもので、この6か月を過ぎるまでの間に、裁判を起こすなどして時効完成を止める必要があります。
(この催告は1回しかすることができません)
債権回収は早めに対応すべき
5年間は消滅時効にかからないとしても、時間が経過するほど、債権回収が難しくなっていく可能性が高くなります。
このため未収債権がある場合は、放置することなく早めに対応することが望ましいでしょう。
債権回収にお悩みの場合は、是非一度法律事務所瀬合パートナーズにご相談ください。
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