LGBT従業員への対応方法

はじめに

 近時、LGBT従業員への施策をとる先駆的企業が増えています。LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字からなる言葉です。LGBTの社会的認知度の向上とともに、企業の多様化(ダイバーシティー)施策上の重要課題とされており、その対応に迫られている企業も多いのではないでしょうか。そこで、実務で問題となり得る点に言及したいと思います。

実務で問題となり得る点

① 女性の容姿での就労 

 性同一性障碍の従業員が、女性の服装で勤務しないことを求める服務命令に違反したことを理由に懲戒解雇をすることは、企業秩序や業務遂行上の著しい支障とはならず、解雇事由として認められることは難しいでしょう。また、解雇に至らない服務命令であっても、企業秩序や業務遂行上の理由から命令の合理性が認められるのは例外的な場合に限られると思われます。 

② 女性用トイレ・更衣室の利用

 LGBTの従業員が女性用トイレ又は女性用更衣室を利用することの可否も問題となります。
 企業としては、LGBT以外の女性従業員に対しても等しく安全配慮義務・職場環境配慮義務を負っている以上、①の服装の問題とは異なり、これらの義務との比較衡量を行う必要があります。

 トイレについては、トイレの一部を改装して、誰でも利用可能な多機能トイレを設置し、利用に供することが考えられます。また、更衣室についても、特別の更衣室の設置、会議室・医務室等を臨時の更衣室として利用に供することも考えられます。

③ その他

 その他にも、職場での真意に沿わないカミングアウトや公表、福利厚生制度の利用にあたっての証明方法等が問題となり得ます。

3 対応方法

 社内講習や行動指針の設定、社内通報窓口担当者や人事総務部、法務部を中心とした勉強会を実施する等、社内でも啓蒙活動を行うとよいでしょう。
 LGBTの従業員に対する福利厚生制度についても、自社へのロイヤリティが高まったり、自己肯定感が増す等、業務効率の向上が期待できますので、導入を検討されてはいかがでしょうか。

 LGBT従業員の積極的雇用をご検討されている企業や対応方法に悩まれている企業の方々がいらっしゃいましたら、ご相談ください。

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弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ

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