Case33 工事請負取引基本契約の条項において、天災等の不可抗力による損害を元請負人負担とすることをご提案させていただいた事例

業 種  建設業

お困りの問題 契約書

相談内容

下請負人である企業から、元請負人との間で工事請負取引基本契約を締結するにあたり、同契約の条項に「天災等の不可抗力による損害については下請負人が負担する」旨の規定があったことから、当該規定の妥当性及び記載例についてご相談を受けました。

対応

民法上の原則では、天災等の不可抗力によって生じた損害は下請負人が負担することになっていますが、不可抗力によって生じた損害を全て受注者に負担させることは酷であること、不可抗力のリスクを報酬額に盛り込むと報酬が割高となること等、原則によることの不都合を回避するために、天災等の不可抗力による損害の負担については、書面で取り決めることが要求されており(建設業法19条1項6号)、国土交通省が掲載している『建設工事標準下請契約約款』では、その一例として元請負人負担との規定を定めることで原則の修正を図っています。ですので、元請負人に対して、天災等の不可抗力によって生じた損害については元請負人負担とすべきであると交渉する余地が十分にある旨お伝えしました。また、新たに締結すべき工事請負取引基本契約の一例をご提案させていただき、後のトラブルを避けるために損害額の算定方法について取り決めておくべきことや、元請負人への交渉材料として、責任範囲を限定する規定や保険により填補できる旨の規定を設けることをご提案させていただきました。

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弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ

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