Case6 事業の共同経営者であった人物から,業務委託契約であったとして業務委託料等を請求された事例

・依頼会社: エンターテインメント業
・相手方: 男性 (共同経営者)
・争  点: 当事者間の契約が,業務委託契約か,損失負担の合意を含む事業合意であったのか
・解決までの期間:(ご依頼後)約9カ月

経緯

 依頼者は,共同経営者として事業を行っていたはずの男性から,当該事業が赤字となり,事実上営業を停止した後,業務委託契約であったとして,立替払金や業務委託料等を請求されました。当初ご自身で交渉しておられましたが,相手方が訴訟を提起したため,幣事務所にご依頼いただきました。

対応

 原告が,業務委託契約締結の証拠として提出した,被告の押印を欠く契約書や白紙委任状について,その信用性を争いました。同時に,本来共同事業であり原告は被告側に生じている損失負担を行うべきであること,また共同事業を行うにあたって,原告は被告から借り入れを行っていること等を理由に,反訴提起も視野に反論を行いました。一方,訴訟の長期化は被告にとっても負担が大きいこと,被告から原告に対して支払うべき賃金も発生していたことから,相当額での和解での解決が望ましい案件でした。結局,当方が反訴提起の準備に入る旨申し出た段階で原告側から和解が提案され,請求額から大幅に減額した和解金で和解が成立しました。

ポイント

  事前に契約書の作成を行っていなかったため,当事者間で締結された契約がどのような内容であったか,原告と被告の主張が異なっており,事実関係も法律関係も不明瞭な事案でした。依頼者からしっかりと話を聞き取った上で,原告側の主張の根拠となる証拠の不自然な点を争いつつ,逆に被告側から原告に訴訟提起を行う可能性を示したことで,原告側の大幅な譲歩を引き出すことができました。

  なお,共同経営の場合,このようなトラブルを避けるためには,事前に事業内容や各共同経営者の権利義務を明確にした契約書を作成しておくことが非常に重要です。

  共同経営をお考えの方,共同経営にお悩みの経営者の方は,弁護士に一度ご相談ください。

 

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弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ

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