Q.ECサイトで古着を販売する際の注意点
【質問】
ECサイトを使って古着を販売することを検討しています。このような事業を始める場合の注意点としては,どのようなものがありますか。
また,ECモールを利用するのではなく,自社にてECサイトを作成することも検討しています。このような場合,ECモールを利用する場合と違って注意すべき点はありますか。
【回答】
ECサイトやECモールにて古着を販売する場合,以下の点にご注意ください。
・古着販売には古物商許可が必要です。
・特定商取引法や不正競争防止法により虚偽広告や誇大広告は禁止されていますので,正確な商品説明となるよう,表現にご留意ください。
・取引相手に個人消費者を含む場合,特定商取引法に基づく表記として,事業者名,住所,販売方法等を表示しなければなりません。
・古着販売時には,家庭用品品質表示法に基づき,繊維の組成等を表示しなければなりません。
なお,中古衣類のため繊維の組成等の判断が困難な場合には,その旨明記することになります。
特に,ECモールを利用するのではなく,自社にてECサイトを作成して販売される場合には,取引条件や個人情報の扱い等について,自社において定める必要がありますので,以下の点にご注意ください。
・利用規約を作成し,契約関係を明確にしておくのが望ましいです。取引相手に個人消費者を含む場合,上記規約は消費者契約法に反しないように定める必要があります。
・取引相手に転売目的の業者を含む場合,当該業者とその転売相手の間のトラブルについて貴社が責任を負わない旨,利用規約に明記しておくのが望ましいです。
・取引相手に個人消費者を含む場合,電子契約法により,自社ECサイトの注文画面からの注文の際,申込画面からいきなり契約が成立するのではなく,注文内容の確認画面を設置する等,意思確認の措置を設けておかなければ,後から契約の無効を主張される可能性がありますので,その点ご注意ください。
・取引相手に個人消費者を含む場合で,貴社が消費者に対し,電子メールにて申込の承諾を行う場合,電子契約法により,同メールの到着時に契約が成立するため,通信障害等によりメールが不着となる場合のリスクを貴社が負うことになりますので,その点ご注意ください。
・ECモール利用の場合と異なり,自社にて顧客情報を取得・管理することになりますので,個人情報保護法に従い,個人情報を使用する目的を明記して,目的外で使用せず,また,個人情報が漏洩しないように適切に管理する必要があります。
予め自社ECサイト内にプライバシーポリシーを掲げることも考えられます。
利用規約やプライバシーポリシーの作成につきましては,弁護士等の専門家へのご依頼をお勧めいたします。
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