契約の成立と成立時期

1 契約の成立 

contract 契約は,「申込み」「承諾」という,当事者間の意思表示が合致することによって成立します。

「申込み」とは,一定の契約を成立させようという内心の意思を,相手に向かって表示することを言い,「承諾」とは,その「申込み」に対応する内容の契約を成立させようという内心の意思を相手に対して表示することを言います。

 

2 契約の成立時期

 実際に当事者同士が会って,その場で契約を締結する場合,どの時点で契約が成立したかは明確です。しかし,今日では,実際に顔を合わせることなく,郵便や電話,メールで契約締結をする場合も多くなっています。では,そのような場合,契約はいつ成立するのでしょうか。

 民法は,「隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する。」(民法526条1項)と規定しています。つまり,郵便でやりとりする場合,郵便物を出してから相手方届くまでには時間がかかりますが,「承諾」の意思を記した郵便物を出せば,相手方に届く前であっても,郵便物を出した時点で契約が成立するということです。これは,取引の迅速化の要請に配慮したものです。

 これに対し,電話やメールの場合は,距離は離れていても,時間的間隔はありません。そこで,電話による契約の場合は,実際に会って契約する場合と同様に考えられます。メールの場合については,送信したメールが相手に届くまでに,若干のタイムラグが生じることもあることから,「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」4条が,承諾の通知が到達した時点を契約成立時点とすることを定めています。

 なお,株式会社など「商人」にあたる者について,法は更に異なる規定を置いています。「商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく、契約の申込みに対する諾否の通知を発」さなければならず,「通知を発することを怠ったときは、その商人は、同項の契約の申込みを承諾したものとみな」されるのです(商法509条1項,2項)。会社は通常,一定の相手方と継続的に取引を行っていることが多く,継続的取引に際して毎回承諾を待っていては業務が滞ってしまうことに配慮した規定となっています。

 

3 契約書作成の注意点

 さて,ここまで契約の成立時期についての法律的な説明をしてきました。では,実際に契約書を作成する際,何に注意すればよいのでしょうか。

 契約成立時期についての法律の定めは上述のとおりですが,実際にいつ意思表示がなされたかの特定は,通常,契約書に記載された日付に依ります。契約書作成の際には,作成日を必ず明記するようにして下さい。また,契約書作成日と契約成立日が異なる場合には,契約書作成日を遡らせる,いわゆる「バックデイト」によるのではなく,契約条項の中に「本契約書は○年○月○日から適用される」等と有効期間の開始日を記すようにしましょう。


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